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 JFPSP研究グループメンバーが携わった新刊です。

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間主観性理論が導く出会いの原点
富樫公一(著)
出版社:岩崎学術出版社(2018.10.29発売)


「はじめに」より抜粋
 臨床家はどのように苦悩する患者に出会うのか? 苦悩する患者とのやり取りで,臨床家自身も傷つきを背負うかもしれない中で,臨床家はどのようにして患者に向き合うのか? 人は人であろうとする限り傷つきやすく,脆弱である。それでも臨床家は人として患者に出会い,人としての悲しみに付き合う。その出会いとは何だろうか。精神分析や精神分析的心理療法に携わる臨床家は,意外にも,そうしたことをそれほど深く考えてこなかった。本書は,精神分析や精神分析的心理療法に携わる専門家とともに,その臨床実践を倫理という側面から考えようとするものである。これはもちろん,精神分析に限らず,精神医学やその他の心理療法に携わる臨床家,そして,医療や福祉,教育,司法領域で人に向き合うさまざまな専門家と共有されるテーマである。

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Theory and Practice
Bernd Huppertz(編) Koichi Togashi & Amanda Kottlerほか(著)
出版社:Rowman & Littlefield Publishers(2018.12発売予定)


Approaches to Psychic Trauma: Theory and Practice covers the many developments in the relatively new field of trauma therapy. It examines the nature of the wide variety of treatments available for traumatized people, describing elements they have in common and those that are specific to each treatment. Originating with the editor’s clinical experience working with patients from the former German Democratic Republic, contributors then discuss alternative therapies including ego psychology, self psychology, object-relations theory, attachment theory, psychoanalysis, and art therapies. Case studies further illustrate the application and practice.

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大阪精神分析セミナー運営委員会(編)・福本修(著)・富樫公一(著)ほか
出版社:岩崎学術出版(2018.8.2発売)


大阪精神分析セミナーは、それまで精神分析の理論と実践を身近に学ぶ機会のなかった大阪の地に、体系だった精神分析を学ぶ場を立ち上げようと、川野由子ら数名の初学者が行動を起こしたことを契機に成立したセミナーです。代表に大矢大を迎えて、小此木啓吾先生の指導のもとに日本を代表する精神分析家を講師陣としてお迎えすることで、大阪に本格的なセミナーが起動いたしました。一九九八年、セミナー開催にあたっての目的と意味として設立案に「臨床において必要な理論の習得と臨床家としての自己覚知を目指す」と謳われ、プログラム案としては、「1フロイト、フロイト以後の精神分析理論(クライン、ウィニコット、カーンバーグ、ビオン、コフート、フェアバーン、スターン、マーラー等)を学ぶ。2精神分析的発達理論を学ぶ。3精神療法、心理療法としての精神分析的理解・技法を学ぶ」と記載されています。構成は、午前に二時間の講義、そして午後に三時間の症例検討としてスタートしました。講師・スーパーヴァイザーとして協力・賛同してくださった先生方として、岩崎徹也先生、牛島定信先生、小此木啓吾先生、狩野力八郎先生、衣笠隆幸先生、斎藤久美子先生、成田善弘先生、西園昌久先生、松木邦裕先生のお名前が挙げられています。第一期大阪精神分析セミナーの初回は九月に小此木啓吾先生をお迎えして、「精神分析の動向─乳幼児精神医学と精神分析」のタイトルのもとに開催され、先生の本セミナーにかける熱い思いが、スタッフはもとより大阪の聴衆にありありと伝わったことだろうと思います。以後、二〇一七年度の第二十期セミナーに至るまで、日本の精神分析を牽引する先生方のご協力のもとに、年十回継続して開催できました。ご講師としておいでいただいたのは、小此木啓吾先生をはじめとして、狩野力八郎先生、岩崎徹也先生、成田善弘先生、松木邦裕先生、牛島定信先生、衣笠隆幸先生、斎藤久美子先生、西園昌久先生、岡野憲一郎先生、中村留貴子先生、丸田俊彦先生、藤山直樹先生、北山修先生、小倉清先生、高橋哲郎先生、深津千賀子先生、相田信男先生、菊地孝則先生、川畑直人先生、木部則雄先生、妙木浩之先生、館直彦先生、平井正三先生、一丸藤太郎先生、皆川邦直先生、川谷大治先生、森さち子先生、舘哲郎先生、横井公一、祖父江典人先生、東中園聡先生、大矢大、福本修先生、鑪幹八郎先生、飛谷渉先生、富樫公一先生、吾妻壮先生、高野晶先生、鈴木智美先生、皆川英明先生、池田暁史先生、岡田暁宜先生の諸先生方(御登壇順)です。長い期間にわたる先生方の厚く変わらぬご支援に深く感謝いたします。大阪精神分析セミナーの二十年の歴史は、大阪に精神分析が根付き、芽生え、育ち、そして大きく実を結んだ二十年間の歴史と重なるものであると自負しています。そしてこの二十周年を記念して、講師の先生方が残してくださった貴重なご講義を、広く皆様のもとに届けたいという思いのもとに、今回、本書が企画されました。

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がん患者に寄り添いつづけた精神科医・丸田俊彦の言葉

岡山慶子・中村清吾・森さち子(編著)
出版社:岩崎学術出版(2018.3.9発売)

精神医療で、『共感』という言葉を使いますが、相手を理解して、相手の心の中に入るというのは、大変むずかしいのです。しかし、限りなく相手の心に近づくことはできます。」本当に「わかり合う」ことはできないにしても、近づこうとすることはできる、それが違いを受け入れるということにつながるのではないかと思います。あなたと私は違う、違っていいんだと受け入れる……、そこにやさしさが生まれて、共存していくことを許し合う。一人ひとり違うけれど、その違いを受け入れ、「あなたと共にいる」ということができるのは、とても素晴らしいことです。「あなたと共にいる」という関係をつくるために──「あなたと共にいる」ことができる人になりたい。では、どうすれば「あなたと共にいる」ことができるようになるのでしょうか。丸田先生と出逢い、一緒にがん患者さんのグループ・カウンセリングを行うようになってから、丸田先生にさまざまなことを語っていただきました。たとえば──。「答えがほしいと、誰もが正しい答えを求めるけれど、正しい答えなんてありません。あるように思えても、医者でも専門家でも答えはありません。求めるものは一緒に考えを出し合い、共有するところにあります。」「不安は、対象が見えないもの、実は医療者がどこまでやっても患者は安心が得られません。安心を与えなければならないという、強い使命感が医療者にあったとしても、安心を与える以上に、『不安ですよね』と、不安を共有することができれば、理解が得られるのではないかと思います。」「相手に寄り添うということは、元気づけようとするよりも、むしろ話を聞いてあげて、本当に苦しいんだろうなと思い、それでいながら自分は何もできないと思うこと。でも、いまここに寄り添い、また、あなたが来週来たときにもここにいて、それからもつながりをずっともっていきます、という姿勢がとても重要です。」

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弁証法的ー構成主義の観点

アーウィン Z. ホフマン(著)・岡野憲一郎/小林陵(訳)
出版社:金剛出版(2017.10.31発売)

 精神分析の伝統的な治療技法の妥当性についての疑問は,精神分析がアメリカ精神医学の世界の王座から失脚して以来,精神分析の外側からだけでなく,分析家の中からも投げ掛けられて来た。
その中でも,アメリカの新しい精神分析の潮流である関係精神分析の論客であり,『転移分析』のMerton Gillの共同研究者としても知られる著者Hoffmanは,構成主義的な立場から「儀式」と「自発性」の弁証法という視点を提供してきた。
 分析の場での儀式的な側面は,定められた場所や時間,料金などといった治療構造に代表され,一方の自発性は,その場で治療者に自然に浮かび上がってくるパーソナルな応答性ともいえるものであるが,儀式と自発性は図と地の関係にあって,一方があるから他方が効果を発揮する。
 さらに広く考えれば,すべての私たちの活動は,ある種の伝統を固守する反復的で儀式的な側面と,それにとらわれない自由で創造的な面,すなわち自発的な面を有する。そして両者は弁証法的な関係を有し,お互いがお互いにその存在の根拠を与え合っているのである。
 本書は,新しくより効果的な精神分析の技法を提示しているわけではない。それよりも精神分析や精神分析的心理療法で起こっていることを,どのように捉えたらよいのか,という問題を論じている本であり,それは人間の人生をどのように捉えるのかという問題と繋がっている。

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アレン M. シーゲル(著)・岡 秀樹(訳)
出版社:金剛出版(2016.11.16発売)


本書は、コフートの孫弟子である著者が、コフートの心理学を体系的にわかりやすく解説したもので、図解もふんだんに活用されている。本書のきわだった特徴は、コフートによるフロイト理論の講義が紹介されているところである。コフートが「ミスター精神分析」と呼ばれたことも「なるほど」と唸りたくなるほど、フロイト理論に精通した見事な講義であり、学術的にもフロイト理論からコフートがどのように自己心理学を発展させるにいたったのか、精神分析の基底に流れる思索の一つを読み取ることができる。
難解であるコフート理論を読み解くための、良質で明快な入門書である。

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関係精神分析の展開

岡野憲一郎(編著)・吾妻壮・富樫公一・横井公一(著)
出版社:岩崎学術出版(2016.11.23発売)


時代の趨勢は静かに関係精神分析の方向に向かっている。さまざまな学派やさまざまな立場を代表する臨床家たちから異口同音に聞こえてくるのが、治療とは結局は関係性であるということだ。どのような技法でもカバーしきれない、あるいはそれを包み込むように存在する関係性のファクターこそが精神分析の中核に存在するのである。本書で扱う自己開示,倫理性,現実は,その分析空間におけるリアリティを考える際の各論とも言うべきテーマである。それぞれの著者がそれらをどのように料理しているのか、どこが共通して、どこに個性が現れているかを一読して感じて欲しい。

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コフート理論から現代自己心理学まで

安村直己(著)
出版社:創元社(2016.9.15発売)


「共感と自己愛の精神分析」とも言えるコフートや現代自己心理学派の理論は、自己愛の傷つきに苦しむ現代のクライエントの心理的援助にどのような有効性を持つのか。コフートのオリジナルな概念のほか、心理療法の基本に関わる土居健郎、ロジャース、ユングらの視点、さらにはコフート以降の現代自己心理学派や間主観性理論など精神分析の最新理論の臨床的意義を、著者自身の豊富な事例と照らし合わせながら考察していく。

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リアリティ、トラウマ、他者をめぐって

富樫公一(著)
出版社:誠信書房(2016.5.10発売)

 現実は予測不能でその本質は見えず、他者は操作不能でとらえがたい。現実の中で人とかかわることは、不確かさと向き合って生きることである。臨床精神分析は、その中で生きる人の苦悩と喜びにどう向き合い、そこにどんな意味を与えることができるのだろうか。臨床家もまた、同じ苦悩と喜びに向き合いながら生きている。予測不能で本質が見えない臨床の仕事の中で、操作不能でとらえがたい患者を前にして、臨床家は何をするのだろうか。
 欧米での著作や論文を通して米国精神分析の「倫理的転回」をけん引する理論家の一人である著者が、米国の最新の知見を紹介しつつ、心の問題に向き合う臨床家に必要な基本的態度を論じる。現代は自己愛の時代と言われている。不登校や引きこもり、キレる若者への対応にも、自己愛の傷つきと自己愛憤怒の視点が必要であろう。また全世界を巻き込んでの問題となっているアラブとユダヤ人の葛藤、そしてユダヤ人を通してのアラブとアメリカの葛藤も、同様の視点を“グループの憤怒"までに広げたコフートの理論から見直せば、平和に向けての糸口を探す際に重要な示唆を与えてくれる。

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コフート理論の実践

アーネスト S. ウルフ(著) 安村直己・角田豊(訳)
出版社:金剛出版(2016.2発売)

難解とされるコフートの理論であるが,表題に「入門」とあるとおり,本書は自己心理学に関する翻訳書の中では他に類を見ないほどわかりやすく,自己心理学の基本概念から,実際の治療実践までが明快にまとめられた,優れた概説書であり臨床書である。
現代は自己愛の時代と言われている。不登校や引きこもり,キレる若者への対応にも,自己愛の傷つきと自己愛憤怒の視点が必要であろう。また全世界を巻き込んでの問題となっているアラブとユダヤ人の葛藤,そしてユダヤ人を通してのアラブとアメリカの葛藤も,同様の視点を“グループの憤怒"までに広げたコフートの理論から見直せば,平和に向けての糸口を探す際に,重要な示唆を与えてくれる。
こうした時代に,われわれはもっと自己愛の諸相,自己愛の問題を深く知り,真剣に考える必要がある。自己愛に焦点を当てた自己心理学の観点は,現代を読み解き,臨床に向かう際の非常に大切なセンスとなるであろう。

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精神療法とカウンセリングの現場から

及川 卓(著)
出版社:弘文堂(2016.1発売)

ここ数年で世界的に理解が進んできたとは言え、LGBT(同性愛者、性同一性障碍者)の人々は、性的マイノリティとして長い間厳しい偏見と差別にさらされてきた。著者は精神科医や心理臨床家の間でも対応が混乱していた1980年代からこの性的マイノリティの心の問題に取り組んできた先駆者である。また性的マイノリティの人々が陥る性的問題行動を精神医学的問題として捉え、道徳的・法的な処罰という視点だけではなく、治療中心の対応へと認識を変えていく必要性を主張してきた。本書は、著者が性的マイノリティの人々と30年以上にわたって臨床の場で向き合ってきた苦闘の軌跡である。

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The Psychology of Being Human

Koichi Togashi & Amanda Kottler
出版社:Rutledge(2015.9発売)

 コフートの早逝により十分に概念化されなかった双子自己対象体験を徹底的に追求し、関係のプロセス、実存的苦悩、トラウマ、生きることの意味などの視点から、精神分析臨床の中核的意義を明らかにした書。人間らしいという体験は何か、トラウマとは何か、実存的に問いに対し、臨床家の視点から迫る。日本人の知見が海外で評価された画期的な一冊。

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