LinkIconEnglish Page
印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |


  講座 講師 概要
1 フロイトの著作 吾妻 壮
立木康介
富樫公一

精神分析はフロイトが作り上げたモデルから始まる解釈学ともいえる。精神分析を学ぶ者は学派にかかわらずフロイトの著作から出発し、必要に応じてフロイトに立ち戻らなければならない。メタ心理学、防衛、抵抗や転移、夢、自由連想、中立性など、さまざまな精神分析の基礎概念を、フロイトはどのように整理してきたのだろうか。この授業では「心理学草案」から始まるフロイトの有名な著作を取り上げ、現代の自己心理学の考え方を含めつつ、フロイトがとらえようとした精神分析の作業や、心というものがどのようなものなのかを理解する。

2 自我心理学 上地雄一郎
富樫公一

フロイトの構造論から始まり、米国で開花した自我心理学は、さまざまな批判を受けながら、現在もその考え方を発展させ続けている。自己心理学は自我心理学から始まり、自我心理学との対比の中で自らを理論化していた。その中では、自我心理学は批判の対象として扱われることが多い。しかし、自我心理学は、他の学派同様にそれ自体で発展し、いろいろな考え方を含んだものになっている。この講義では、フロイトからグリーンソンまで、古典的自我心理学におけるメタ心理学と技法論をもとに、現代の自我心理学の考え方も広くとらえていく。またメンタライジング・アプローチについても深く掘り下げる。

3 夢と空想 角田 豊
今本智子

夢は無意識を理解する主要な方法として、フロイトの時代から重視されてきた。フロイトの考え方から、自我心理学、対象関係論、現代自己心理学へと、そのとらえ方の変遷を理解する。また、無意識的空想の精神分析的な意味についても理解を深める。

4 ケースセミナーⅠ 羽下大信

 精神分析的心理療法の研修には、その理論や技法についての概念的な学習と、実践的に精神分析的な治療の具体的方法や感覚を体得する症例検討の両方が必要である。特に、症例を徹底的に検討することは、臨床における実践的技能を高めるために効果的であり、精神分析的心理療法の技法だけでなく、治療者として本質的に必要な態度を身につける機会となる。そこで、ケースセミナーⅠでは、参加者各自が担当しているケースを毎回1症例、順次報告し合い、指導者を中心にして参加者全員で共に検討を行う。そこでさらに全体でディスカッションを行い、精神分析的心理療法における臨床的な知を学び、深めることを目的とする。

5 倫理と
私設相談室開設
羽下大信
角田 豊
小串嘉次信
 
精神分析臨床の出発点は、開業臨床、または、私設相談臨床にある。精神分析臨床に携わるものが考えるべき臨床と研究の倫理について学習し、それとつなぎ合わせる形で、臨床家として私設相談室を運営していくときのさまざまな注意点について議論する。守秘、記録、多重関係、教育、研究、著作、宣伝、料金、紹介など、私設相談臨床ならではの問題を取り上げながら、将来私設相談臨床を行う上で自分がどのようなスタンスを取るかについて議論する。
 
6 コフートと
自己心理学
羽下大信/角田豊
富樫公一
岡 秀樹

コフートは、これまでの伝統的な精神分析がほとんど取り上げて来なかった「共感」を重視し、自己の体験に注目した、新しい精神分析理論である「自己心理学」を確立した。それは、従来の精神分析が重視してきた中立性や正確な解釈などの考え方を否定して、治療者の応答性やクライエントとの自己対象関係などの関係性を重要な治癒の要因とするという、画期的な視点の転換を意味していた。そこでまず、今日の精神分析的な心理療法の発展にコフートがどのように貢献しているかを学び、さらに、コフートが重視した共感の、自己心理学理論における位置づけについて理解する。そしてまた、そうした自己心理学の展開に、コフートの人生がどのような影響を与えていたかについて知り、自己心理学が立脚する人間観や治療観を学ぶ。さらに、コフートの理論や技法に内在していたと考えられる間主観的な視点について理解し、自己心理学の理論と技法をめぐる間主観的な理解を臨床的、総合的に深めることを目的とする。

7 夢と空想
(広島サテライト)
富樫公一
今本智子
原田美知枝
 
夢は無意識を理解する主要な方法として、フロイトの時代から重視されてきた。フロイトの考え方から、自我心理学、対象関係論、現代自己心理学へと、そのとらえ方の変遷を理解する。また、無意識的空想の精神分析的な意味についても理解を深める。


  講座 講師 概要
1 精神分析的診断 安村直己
富樫公一
葛西真記子

精神分析的診断は、米国精神医学に非常に大きな影響を与え、一時期は精神医学的診断と力動的診断はほぼ同一のもののように扱われてきた。しかし、次第に精神医学は記述型診断を志向するようになり、精神分析的診断は自らの診断に対する姿勢の再考を迫られるようになった。私たち精神分析家は、どのような視点で診断を行っていくのか。記述型診断と精神分析的診断の違い、一者心理学的な診断から二者心理学的診断への流れ、自己心理学・間主観的診断の特殊性などについて、幅広く扱っていく。 

2 精神分析研究法Ⅰ
富樫公一

この授業では、精神分析的な事例研究を行うための基本的な考え方について学ぶ。臨床技法・理論である精神分析は、その新たな考え方や技法、理論を発展させるために臨床事例研究に頼ってきた。精神医学、臨床心理学、教育学における研究法と異なる、精神分析ならではの研究法とはどのようなものなのだろうか。精神分析の理論や訓練について学習する機会は多いが、それらを発展させるための研究法そのものを学習する機会は決して多くはない。ここでは、事例研究の定義、研究テーマ、単一事例研究と複 数事例研究、精神分析的解釈学、プロセス分析、研究のレトリック、恣意性と関心相関性、 研究の倫理などの学習を通して、受講生が自らテーマを決め、研究でデザインを描くことができるようになることを目標とする。 

3 精神分析研究法Ⅱ 岡 秀樹
角田 豊
安村直己
中西和紀
富樫公一

精神分析研究法Iで学習した内容をもとに、受講生が自ら決めたテーマと研究デザインに沿ってデータを抽出し、分析・考察する。授業はいわゆるゼミ形式で行われ、受講生は授業8回分(720)について、選ばれた一名の教員の指導のもとで論文の執筆を進め、最終的に事例論文を完成させて提出する。個別指導 とは別に、全体発表会が年に2(4コマ分360)あり、そこでは自ら執筆中の論文や他の受講生の論文について、ディスカッションを行う。なおこの授業は、精神分析研究法Iを同時に受講している者、あるいは、すでにそれと同等と判断されるものを受講した者に限る。 

4 ジェンダーと
セクシュアリティ
葛西真記子
Doris Brothers

 フロイトの精神分析理論にとって性愛(セクシュアリティ)はもっとも重要な概念である。性欲動・性欲は発達論としてだけでなく、動機づけの中核であり、人間の心を理解する為に欠かせないと考えられたからである。しかしエディプスコンプレクスの概念をはじめ、この点におけるフロイトや伝統的精神分析の考え方は、フェミニズム学派から批判されている。この講義で は、伝統的精神分析のセクシュアリティ、ジェンダーから、それへの批判的立場の理解、さらに、自己心理学や現代の関係精神分析におけるセクシュアリティ、ジェンダーの問題を取り上げる。また臨床場面で出会うジェンダーとセクシュアリティにまつわる視点を提供し、議論する。全12回のうち、9回を葛西が、3回をBrothersが担当する。 

5 ケースセミナーⅡ 角田 豊
羽下大信
今本智子
 2013年度に開講された「ケースセミナーⅠ」の続編。精神分析的心理療法の研修には、その理論や技法についての概念的な学習と、実際の精神分析的心理療法の症例を検討し、実践的に精神分析的な治療の具体的な技法や感覚を体得する症例検討の学習の両方が必要である。特に、症例を徹底的に検討することは、臨床における実践的技能を高めるために効果的であり、本質的に治療者として必要な態度を身につけることができる。この「ケースセミナーⅡ」では、参加者各自が担当しているケースを毎回1症例、順次報告し合い、指導者を中心にして自己心理学の観点を中心にしながら、参加者全員で共に検討を行い、精神分析的心理療法における臨床的な知を学び、深めることを目的とする。

 

6 ケースセミナーⅡ
(広島開講)
富樫公一
中西和紀
 
7 関係精神分析 横井公一
吾妻 壮
岡野 憲一郎
 米国における新しい精神分析の動向である「関係精神分析」について学ぶ。「関係精神分析」の本質は、臨床場面で患者と治療者の間に生じる体験のリアリティーを追求することにある。その動きはグリンバーグとミッチェルによる著書「精神分析理論の展開」(邦訳名)から始まった。そこでまずミッチェルが提示した新しい理論的展開と臨床感覚を学ぶ。さらに関係精神分析における主体性と他者性の捉え方の特徴を理論的、臨床的に理解する。そして、そこから見直されてくる精神分析の技法、治療者の中立性や自発性、臨床的な現実などに関する視点とセンスを身につけ、臨床的リアリティーをめぐる理解を総合的に深めることを目的とする。

  講座 講師 概要
1 発達と乳児研究 角田
富樫
精神分析理論は、技法論においても、メタ心理学においても、病理の理解においても、発達理論と切り離すことができない。古くは、精神分析理論が発達理論を構成し、発達研究に影響を与えた。近年は、発達研究が精神分析理論に 新たな視点と理論を提供している。この科目は、フロイトからマーラーまでの伝統的発達理論(第1回~6回)と、スターンに始まる近年の発達研究(第7回~12回)の二段階で構成されている。全12回を通して、発達理論と精神分析理論との関係、発達研究が提供する精神分析の新しい感性について理解できることを目的としている。
2 自我心理学(神戸開催)
自我心理学(広島開催)
富樫
上地
フロイトの構造論から始まり、米国で開花した自我心理学は、さまざまな批判を受けながら も、現在もその考え方を発展し続けている。自己心理学は自我心理学から始まり、自我心理学との対比の中で自らを理論化してきた。こうした中では、自我心理学は批判の対象として扱われることが多い。しかし自我心理学は、他の学派同様にそれ自体で発展し、いろいろな考え方を含んだものになっている。この講義では、古典的自我心理学におけるメタ心理学と技法論をもとに、GillやGrayを含む現代の自我心理学の考え方も広くとらえていく。
3 文化と精神分析 羽下
安村
人間の心の科学として誕生した精神分析は、人間の創り出す文化をどのように捉えてきたのだろうか。文化を集合的な人間の心の所産として見るならば、さまざまな文化の存在は人間のもつ多様な側面を表しており、それらを分析することは、人間の本質的側面を探究することにつながるだろう。この授業では、フロイトやさまざまな精神分析家たちによる、人間の子育てから芸術に至るまで、文化に関するさまざまな 視点や研究を概観し、彼らが人間の本質にどのように迫ってきたかを取り上げる。また、精神分析という治療文化の特徴や文化差における問題についても概観し、日本文化における精神分析臨床のあり方について議論する。
4 精神医学と薬理 小畔 医療機関において精神分析療法・精神分析的心理療法を実践するためには、精神医学的診断や薬物治療の基礎知識が必要となる。教育・福祉・司法など他の分野における場合でも、精神医学の基礎知識を持つことは、同様に連携などの際に役立つと考えられる。本講義では、精神医学における診断分類、代表的精神疾患の神経科学的基礎、薬物治療について基本的な事項を身につけることをめざし、精神分析療法・精神分析的心理療法実践の中で問題となりやすいいくつかの興味深いテーマについて掘り下げて学びたい。
5 現代自己心理学Ⅱ 角田
安村
葛西
富樫
2013年度に開講された現代自己心理学1の続編となる講義(未受講の方も受講できます)。一者心理学的色彩を含むコフートの理論だけでなく、現代的な自己心理学の視点について、主要なトピックスに触れていく。 バコールの特異性理論、コバーンの複雑系理論、リヒテンバーグの動機付けシステム理論、 ストロロウの間主観性理論など、システム理論的な観点を学習する。講師は、誠信書房”ポストコフートの精神分析システム理論”の執筆陣が担当。
6 間主観性理論 J.L.フォサーギ

富樫 
心理療法プロセスを患者-治療者双方によって共構築されるものと考える間主観性理論について、さまざまな立場から学習する。具体的には、インプリシットとエクスプリシットな相互交流、かかわりを持つことの豊かさとリスク、分析的解釈や理解は正解をあたるのではなく、意味を二人で作り出すプロセスであることについて学ぶ。病理を患者の中にだけ閉じ込めて理解するのではないこの考え方は、治療者の在り方や患者-治療者を一つの系として捉える。これらを通して、虚心坦懐に患者とかかわる治療者としての視点に磨きをかける。

  講座 講師 概要
1 フロイトの著作 吾妻
富樫
安村
精神分析はフロイトが作り上げたモデルから始まる解釈学ともいえるだろう。精神分析を学ぶ者は、学派にかかわらず、フロイトの著作から出発し、必要に応じてフロイトに立ち戻らなければならない。メタ心理学、防衛、抵抗や転移、夢、自由連想、中立性など、さまざまな精神分析の基礎概念を、フロイトはどのように整理してきたのだろうか。この授業では、『夢判断』から始まるフロイトの有名な著作を取り上げ、現代の自己心理学の考え方を含めつつ、フロイトがとらえようとした精神分析の作業や、心というものがどのようなものなのかを理解する。
2 コフートの著作 羽下
角田 
コフートの著作を歴史順に読んでいき、彼が打ち立てた基本概念に関する理解を深めることが目的である。授業では、それらの概念一つ一つを解説し、それをもとに彼の著作のエッセンスを取り出して受講者と論議する。適宜資料を配布するが、コフートの翻訳・原著を使用する為、購入が必要となる場合がある。
3 倫理と私設相談室開設 羽下
富樫
小串
精神分析臨床の出発点は、開業臨床、または、私設相談臨床にある。精神分析臨床に携わるものが考えるべき臨床と研究の倫理について、学習し、それとつなぎ合わせる形で、臨床家として私設相談室を運営していくときのさまざまな注意点について議論する。守秘、記録、多重関係、教育、研究、著作、宣伝、料金、紹介など、私設相談臨床ならではの問題を取り上げながら、将来私設相談臨床を行う上で自分がどのようなスタンスを取るかについて議論する。
4 精神医学と薬理 小畔 医療機関において精神分析療法・精神分析的心理療法を実践するためには、精神医学的診断や薬物治療の基礎知識が必要となる。教育・福祉・司法など他の分野における場合でも、精神医学の基礎知識を持つことは、同様に連携などの際に役立つと考えられる。本講義では、精神医学における診断分類、代表的精神疾患の神経科学的基礎、薬物治療について基本的な事項を身につけることをめざし、精神分析療法・精神分析的心理療法実践の中で問題となりやすいいくつかの興味深いテーマについて掘り下げて学びたい。
5 現代自己心理学Ⅰ 富樫 1970年代まで、アメリカは自我心理学全盛時代だった。やがて権威主義的、機械的傾向が目立つようになった自我心理学に対し、さまざまな批判とともに新たな理論が生み出された。その一つがKohutの自己心理学である。しかし、Kohut理論も今や「古典」と呼ばれるようになった。現代の自己心理学はさまざまな考え方が発展し、学派を超えて他の考え方と結びついている。Kohutの理論がどのような歴史的背景から生まれて、どのように発展して現代に至るのか、伝統的精神分析と比較しながら現代自己心理学の理論の基礎を学習する。2010年度から「広島現代自己心理学セミナーⅠ」「神戸現代自己心理学セミナーⅠ」として行われ、高い評判を得ている授業をさらに洗練させたもの。
6 ケースセミナーⅠ
(神戸開講/広島開講) 
富樫
安村
中西
精神分析的心理療法の研修には、その理論や技法についての概念的な学習と、実際の精神分析的心理療法の症例を検討し、実践的に精神分析的な治療の具体的な技法や感覚を体得する症例検討の学習の両方が必要である。特に、症例を徹底的に検討することは、臨床における実践的技能を高めるために効果的であり、精神分析的心理療法の技法だけでなく、本質的に治療者として必要な態度を身につけることができる。そこで、ケースセミナーⅠでは、参加者各自が担当しているケースを毎回1症例、順次報告し合い、指導者を中心にして参加者全員で共に検討を行なう。そこでさらに全体でディスカッションを行い、精神分析的心理療法における臨床的な知を学び、深めることを目的とする。